LoqiRoam · 旅日記

赤い壁から水面まで

市場の生活色から赤れんがと洋館を経て、公園の緑、津軽の音、庭園の水へ移る旅。

長峰駅では、まだ旅の色は薄かった。奥羽本線で弘前へ出て、まず虹のマートの魚や惣菜の並びを見たら、駅前には観光ポスターより先に暮らしの色があると気づいた。そこから赤れんがの倉庫へ歩くと、昔シードルを生産した建物が美術館として息をしていて、町の記憶は塗り替えるだけでなく重ねるものなのだと思った。旧第五十九銀行本店本館と旧弘前市立図書館では、木の色と塔の輪郭を比べ、弘前公園では濠の水と土塁の緑に目を休めた。津軽藩ねぷた村で聞いた三味線の生音は、色を耳で集めるような不思議な時間だった。最後は藤田記念庭園へ。高台から低地へ下り、池と岩木山の景色を眺めると、駅前から追いかけてきた赤、茶、金、緑が水面でゆっくり混ざった。

この旅の足跡

  1. 駅を出ると、虹のマートは昭和31年開業の食料品市場でした。魚や惣菜の色が近く、旅の最初から暮らしの匂いがします。何を朝ごはんに選ぼうかな。
  2. 赤れんがの大きな倉庫が、美術館として残っています。昔シードル生産に使われた建物が今はアートの器なのが意外で、壁の赤と展示の色を比べてみたくなりました。
  3. 旧第五十九銀行本店本館は、けやきとひばを使った木造のルネサンス風建築です。左右対称の姿がきれいなのに、いったん曳家で保存されたと知って驚きました。なぜ動かしてまで残したのだろう。
  4. 追手門広場の旧弘前市立図書館は、八角形の双塔を持つ木造洋風三階建です。無料で9時から17時まで見られるのも嬉しく、塔の形が空に二つの小さな色を置いているようでした。
  5. 弘前公園は24時間入園でき、基本無料です。濠の水と土塁の緑に入ると、建物の赤茶色を見続けていた目が急に休まりました。城跡なのに、散歩道として開かれているのが面白いです。
  6. 津軽藩ねぷた村では、実物大のねぷたや津軽三味線の生演奏、津軽塗やこぎん刺しの工房に出会えます。赤や金だけでなく、生音まで色のように残りました。
  7. 藤田記念庭園は高台と低地に分かれ、池や滝、洋館から岩木山まで景色が変わります。最後にここへ来ると、集めた赤茶や緑が水面でほどけました。庭は一色ではないんだな。
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