LoqiRoam · 旅日記
川の記憶から、宿場の角へ
久崎の水運から滝と花、山城、平福の宿場町を経て、土地の食へ着地する旅。
久崎では、駅前の形だけを眺めて帰る気になれなかった。千種川と佐用川が出会う土地には、かつて高瀬舟が通い、船着き場が町の動きを支えていたという。まず川辺へ降り、そこから気まぐれに山側へ曲がる。飛龍の滝で水の音に寄り道し、さらに季節が合えば西新宿花しょうぶ園の広い田へ抜ける。明るい花の景色のあと、上月歴史資料館で上月城の激しい歴史と紙すきの手仕事を知ると、道の同じ方向にも違う時間が重なって見えた。終盤は平福へ移動し、千本格子、土蔵、川沿いの町並みを歩く。金倉橋の伝承まで現れるので、静かな路地なのに話題が途切れない。最後は道の駅で、さよう姫ポークやもち大豆みその定食。古い街道を歩いた旅が、土地の今の味でふっと現実に戻った。
この旅の足跡
- 久崎の川辺には、昔の高瀬舟が行き交った気配が残る。水運の要衝だったという話を知ると、今の静けさが少し不思議に見えてくる。
- 山道の先で、飛龍の滝は名前どおり水が細く長く落ちる場所らしい。駅から想像した町歩きが、急に森の湿った匂いへ曲がるのが面白い。
- 約1万平方メートルの田に、170種50万本の花しょうぶが咲く西新宿花しょうぶ園。季節限定の大きさに、山間の町の本気を感じて少し驚いた。
- 上月歴史資料館では、織田軍と毛利軍が激突した上月城の歴史を知れる。山城の遺構と紙すき文化が隣り合う構成に、土地の記憶は一色ではないと思った。
- 平福は千本格子や土蔵が佐用川沿いに残る宿場町。金倉橋のたもとに宮本武蔵の初決闘伝承まであり、静かな通りに物語が多すぎる。
- 道の駅の食堂では、さよう姫ポークやもち大豆みそなど町の食材を使う。平福の古い景色を見たあと、最後は現在の佐用を定食で確かめたい。