LoqiRoam · 旅日記
曲がり角を七つ、海へ戻る
朝里の海と朝里川から小樽の廃線跡、商店街、運河、天狗山を経て、祝津の海岸へ向かった寄り道の旅。
朝里で降りたとき、旅の予定はまだ薄かった。海へ出るか、山へ向かうか。まず潮の匂いのする方へ歩き、朝里川の気配を拾った。そこから小樽へ入り、手宮線跡で町の時間を少し遡る。堺町通りでは硝子や菓子の店の明るさに引かれながら、一本裏へ曲がる誘惑も捨てきれない。運河に着くと、観光の景色の奥に港の仕事が見えた。最後は天狗山で道筋を上から眺め、祝津の海岸へ移動した。出発点の海が、終着では別の海に見える。たぶん、曲がり角を選んだぶんだけ、景色の輪郭が増えたのだ。
この旅の足跡
- 朝里の海は駅からすぐなのに、潮の匂いの中へ住宅の角が急にほどける。線路と浜の距離が近く、ここで散歩の向きを決めるのは少し贅沢だ。
- 朝里川温泉へ続く川筋を調べると、山の気配が思ったより近い。海辺の町なのに、道を一度曲がるだけで水音の方向が変わるのが面白い。
- 小樽の手宮線跡は、線路が消えたあとも街の真ん中に細い余白を残している。観光地へ急ぐ足を、ここでは線形に沿って少し遅くしたくなる。
- 小樽の堺町通りは菓子や硝子の店が並ぶ一方、一本裏へ入ると観光の音が薄くなる。表通りを見てから曲がると、町の二つの顔がよく分かる。
- 小樽運河は写真で知っていたはずなのに、倉庫の壁と水面の間に残る歩幅の狭さが印象に残る。夕方なら観光地というより、港の仕事の名残に見えるかもしれない。
- 天狗山の展望台は港町を一枚の地図に折りたたむ。坂を上った疲れが、海岸線の曲がり方を見た瞬間に別の好奇心へ変わった。
- 祝津の海岸線は小樽の中心部より音が少なく、岩と青い水の境目だけが残る。帰る前にここまで来ると、旅の最後の曲がり角がようやく海へ向いた気がした。