LoqiRoam · 旅日記

白さが海へほどける日

松林、美術、湯けむり、古い浴場をつなぎ、最後は別府湾の反射へ歩いた。

天神山を出て、別府の明るさを順に拾った。最初は百年を越す松の影だった。葉の隙間から落ちる光は細かく、歩く速度までゆっくりにした。美術館では外の白さがいったん消え、紙や絵具の色が静かに残った。高台へ上がると、街のあちこちから湯けむりが立っていた。遠くでは淡い雲に見えたものが、鉄輪では釜の熱になり、野菜や魚介を包む蒸気になった。竹瓦温泉では唐破風の曲線に夕方の影がたまり、時間が建物の表面に現れた。最後に上人ヶ浜へ出ると、山から流れてきた一日の光が海で横に伸びた。湯けむりを追っていたはずなのに、終わりには水面の反射だけが残った。

この旅の足跡

  1. 別府公園の松林は、百年を越す木も残る歴史公園。木漏れ日が芝生を細かく割り、歩くたび明るさが変わった。
  2. 別府市美術館では日本画や洋画、工芸、彫刻、書、写真に出会える。外の強い光を離れると、色の残り方が変わる。
  3. 湯けむり展望台からは市街の湯けむりを見渡せ、夜には色の光も添えられる。昼の白さが、夕方には別の輪郭になりそうだ。
  4. 鉄輪の地獄蒸し工房では、魚介や地元野菜を地獄釜で自分で蒸せる。湯けむりは景色だけでなく、手のひらの熱にもなった。
  5. 竹瓦温泉は1879年創設で、現在の建物は昭和13年の唐破風。夕方の斜光が屋根の曲線を濃くし、古さが急に近くなった。
  6. 上人ヶ浜公園は別府湾を望み、市内で唯一の海浜砂湯がある。山側の湯けむりとは違い、最後の光は波の上で横に伸びた。
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