LoqiRoam · 旅日記
看板の向こうへ、与野の小道
市場町の名残、千年の巨木、劇場の庭、公園、路地裏の小商いをつないだ散歩。
駅を出ると、まず本町通りの幅の細さが気になった。車のための道というより、昔の市場へ人が集まるための余白が少し残っているようで、建物の看板や軒先を読む速度が自然に落ちた。与野郷土資料館では、ジオラマと映像がこの町を市場の町として見せてくれた。その直後に見た大カヤは、資料の中の時間を現実の幹へ戻してくれる。千年の道標のそばから劇場のシェイクスピア・ガーデンへ向かうと、今度は植物が物語の小道具になる。夏のにわか雨を気にしながら与野公園の木陰で空を見上げ、最後は住宅地の奥の路地裏ガレージへ。大きな名所より、倉庫の入口の看板や小商いの気配のほうが、今日の与野をよく語っていた。
この旅の足跡
- 狭い本町通りに蔵造りの家や寺社が続き、ただの住宅街ではないと気づいた。昔の市場の声は、今の看板のどこに残っているのだろう。
- 地下の資料館なのに、ジオラマや映像で町の時間が立ち上がる。駅から数分の道が、昔は市場の町だったという落差に驚いた。
- 境内の大カヤは高さ21.5メートル、樹齢千年とも伝わる。昔の旅人の道標だった木を前にすると、看板より長寿の案内人に見えてくる。
- 劇場の敷地に、バラやハーブなどシェイクスピアゆかりの植物を集めた無料の庭がある。舞台の外にも物語の小道具が咲いていた。
- 与野公園は明治10年開設で、桜とバラの名所。今日は夏のにわか雨予報なので、花だけでなく木陰と空の広さを楽しむ場所にした。
- 毎週日曜11時から17時、木材店の倉庫を改装した路地裏の市場が開く。住宅地の奥のDIY看板に、街の現在が急に手触りを持った。