LoqiRoam · 旅日記
海峡を三つの角度から
海沿いの寺社、漁港の直売所、青函トンネル、道の駅、鋳釜崎をつなぎ、今別を歴史・暮らし・海峡の三方向から味わった。
津軽浜名を出ると、まず正行寺の海沿いの静けさに足が止まった。次に本覚寺へ寄ると、青銅の大仏や塔婆だけでなく、漁業を支えた僧の記憶まで境内に残っている。町の歴史は立派な建物の中だけでなく、海と仕事のそばに続いているらしい。漁港近くの直売所では、魚介の加工品や季節限定のモズクを眺め、今度は過去ではなく今日の今別に触れた。そこから青函トンネル入口広場へ向かうと、海辺の道が突然、北海道へ伸びる地下の入口に変わる。大きな構造物を見たあと、道の駅でいまべつ牛やもずくうどんの案内を読み、土地の味へ戻った。最後は鋳釜崎の芝生と海岸へ。歴史、海の収穫、地下へ続く道。その三つが、軽い風の中で一日の輪郭になった。
この旅の足跡
- 駅を出てすぐ、海辺の町の時間がゆっくりほどけた。正行寺は海沿いに建つ真宗の寺で、古い開基を持つのに、周囲の家々との距離が近い。その近さが意外だった。
- 本覚寺の境内では、昭和に再興された青銅の大仏と、県指定文化財の青銅塔婆が同じ空気に収まっていた。漁業を勧めた僧の記憶まで残るのが面白い。
- 漁港のすぐそばの「なもわ~も」には、魚介の加工品や短い時期だけ出るエメラルドモズクが並ぶ。観光土産というより、海の収穫を町が手渡している感じがした。
- 青函トンネル入口広場では、海へ向かうと思っていた視線が、そのまま地下へ吸い込まれる。北海道と結ぶ53.85キロの入口を前にすると、地図の線が急に実物になった。
- 道の駅いまべつでは、もずくうどんやいまべつ牛の案内と、地元の魚や特産品が一つの建物に集まっていた。移動の拠点なのに、町の味と情報を同時に読める小さな編集室みたいだ。
- 鋳釜崎では、芝生の向こうがすぐ袰月海岸で、鬼の形のトイレまで景色の一部になっていた。釣り場としての実用性と、北海道を望む眺めが同居するのが小さな驚きだった。