LoqiRoam · 旅日記
川風のあと、城下の角をいくつも曲がる
安倍川から駿府城、歴史博物館、静岡浅間神社、賤機山、静岡茶、青葉横丁へ。曲がり角ごとに違う静岡を拾った。
安倍川の河川敷で、まず空の広さを拾った。そこから街へ入る道は決め打ちにせず、風と人の流れに任せて駿府城公園へ向かった。堀と石垣を眺めたあと、静岡市歴史博物館で家康と城下町、東海道の時間を借りる。外へ出ると、さっきまでの道まで展示の続きに見えてきた。静岡浅間神社の濃い彩色には少し圧倒されたが、そのまま賤機山の木陰へ逃げ込むように曲がる。坂の気配を残したまま静岡茶で一息つき、最後は青葉横丁の静岡おでんへ。川の風で始まった旅が、街の記憶と山の緑を経て、黒いだしの湯気に収まった。
この旅の足跡
- 安倍川の河川敷は、街のすぐ脇なのに空が大きい。水の音を聞いていると、出発点が駅ではなく川だったことが腑に落ちた。風向きひとつで次の角を選びたくなる。
- 駿府城公園は堀と石垣が残る一方、園内は芝生と広い空で思ったより柔らかい。城跡なのに威圧感が薄いのが面白く、曲がり角の先で歴史の表情が変わった。
- 静岡市歴史博物館では、家康と駿府城下町、東海道の歩みを人々の暮らしからたどれる。展示を見て外へ出ると、さっきの道まで資料の続きに見えてくる。
- 静岡浅間神社は、楼閣造りの楼門と鮮やかな社殿が街なかに突然現れる。山の信仰に包まれる感じが強く、境内へ入る前の道から空気が変わった。
- 賤機山の登り口からは、中心街の音が少しずつ薄れ、木陰と坂の気配が濃くなる。最高点は231メートルほどでも、尾根道の向こうに街を見下ろす予感がある。
- 静岡茶のカフェを挟むと、さっきまでの坂道が舌の上でほどける。お茶問屋直営の一杯は香りが軽やかで、歩き疲れを隠さない休憩になった。
- 青葉横丁の静岡おでんは、黒いだしに黒はんぺんを沈め、だし粉と青のりで仕上げる。赤ちょうちんの小さな横丁で食べると、昼の川風とは別の静岡に出会った気がする。